接待飲食等営業の種類について
接待を伴う飲食店といえば、ホストクラブなどを想像する方が多いのではないでしょうか。
実際に、現在新型コロナウイルスのクラスターで報じられる代表的なお店として、ホストクラブがメディアに取り上げられることがよくありました。
しかし、接待を伴う飲食店には、法律上それ以外にもさまざまな形態が想定されています。
接待飲食等営業の5つの形態
「接待飲食等営業」は、風営法で第1号営業から5号営業まで5つの形態に分類されています。
飲食店とは、カフェやバーを設置している施設で、「店員が接待をするか」「照明の明るさが10ルクス以下か」「客席が仕切られており面積が5㎡以下か」といった条件により、第1号から3号まで明確な規定がなされています。
第4号・5号営業はパチンコ・ゲームセンター・麻雀荘など遊興施設がメインになり、飲食業の方にとは関係がないでしょう。
設備などによっては飲食でも風俗営業に該当するケースも
風営法の「接待飲食等営業」で気をつけたいポイントは、お店のサービスやコンセプトに拘わらず、内装などの設備によってはこの範囲に該当してしまう可能性があります。
接待をせずに飲食物やお酒を出しているだけと経営者が主張していても、照明が暗い店舗や客席が狭く仕切られていたり施錠できたりする施設は、「接待飲食等営業」とみなされる可能性が高いです。
また、飲食の提供だけでなく、カラオケやダーツボードを設置しているバーやカフェもあります。
お客さんのためにカラオケの曲番号を入れてあげたり、ハウスダーツをお客さんのところまで持って行ったりというサービスは接待に含まれませんが、それ以上のことをすると「接待」とみなされることがあります。
具体的に接待とみなされるのは、お客さんのダーツの相手をしてあげたり、カラオケでデュエットをしてあげたりという行為です。
こうした店員のサービスがあるお店は、「接待を伴う」お店とみなされるため、風営法の管轄となり公安委員会への届け出が必須となっています。
居酒屋でカラオケ設備などを置く店は決して少なくないので、普通の飲食店として営業したい場合は、サービスに「接待」が発生しないように留意する必要があるでしょう。
土地選びの段階でサービスに合った選択を
深夜営業を行う飲食店や、風営法で管理される「接待を伴う飲食店」は、そもそも営業可能な土地が限られています。
そのため、開業を検討している方は土地選びの段階でサービスに適した物件探しをしなければいけません。
とくに風営法のお店は土地の用途だけでなく、学校や児童福祉施設などから距離をとることも求められているので、入念な確認が必須です。
開業後に深夜営業やダーツマシンを設置したサービス展開などを考えている場合、住宅地域になっているエリアでの営業はやめたほうが賢明といえます。
風営法の違反で摘発されるケースは多いため、お客さんからの通報によって突然警察がやってきたという経験談も少なくありません。
決まりごとが多いビジネスに従事する場合は、法律を遵守するよう徹底しましょう。