深夜営業は公安委員会への届け出が必要です
午前0時以降の深夜に客に遊興をさせ、 客に酒類の提供を伴う飲食をさせる営業を営む場合、特定遊興飲食店営業として都道府県公安委員会の許可を得る必要があります。
一方でバーやカラオケスナックなど、深夜0時を過ぎてお酒をメインに提供する営業をする場合には、深夜酒類提供飲食店として管轄する警察署への届け出が必要です。
深夜酒類提供飲食店の届け出は、営業をはじめる10日前までに行わなければならず、届けを出さずに営業していると50万円以下の罰金が科せられ、営業停止などの厳しい処分を受けることもあるので注意しましょう。
開業するために気をつけたいこと
バーテンダーとして独立して自分のお店を設けたり、ご近所の常連さんが集まってくるような気楽なカラオケスナックを開いたりしたいと思っていても、希望通りに開業できるわけではありません。
隠れ家バーを作りたかったとしても、住宅街にある自宅をバーにすることは認められないため、お店をオープンさせられる場所を選ぶ必要があります。
深夜酒類提供飲食店には立地指定というものがあり、住居地域での営業が認められていません。
商業地域か近隣商業地域にしか出店できないので、気になる物件を見つけたときは、市区町村役場の都市計画課に問い合わせて用途地域の確認を行いましょう。
店内や運用要件を満たすこと
立地条件を満たす物件が見つかったら、次は店内の内装についての注意点を見ていきましょう。
届けを出せば簡単に営業できると思うかもしれませんが、定められた要件を満たしていないと届けを出しても受理してもらえません。
たとえば、個室は9.5㎡以上の大きさを確保しなければならず、客席に高さ1mを超える仕切りの作成は不可となっています。
調光器(スライダックス)の設置や、客席の面積の10%を超える面積のゲーム機を置くこともNGです。
ダーツやゲーム機の大きさが店舗面積の10%を超えてしまうと、風俗営業許可のなかでもゲームセンターの許可が必要になり、深夜営業ができなくなるので注意しましょう。
書類の準備も慎重に
届け出を行うには深夜酒類提供飲食店営業・営業開始届出書に記入するとともに、店の平面図と面積を示す求積図、客席と調理場の面積を示す求積図、照明や音響の設備を記載した図面と面積の根拠となる計算表の添付が必要です。
営業者の本籍付の住民票と飲食店としての保健所の許可証のコピーも添付しなくてはなりません。
警察署によってはお店のメニューのコピーや、周辺の見取り地図、建物のオーナーから深夜営業をすることの許可を得た使用承諾書なども求められるケースがあります。
接待行為はNG
深夜酒類提供飲食店は接待行為をしてはいけません。
ガールズバーなどを運営する際には、特に注意が必要です。
客の横に座って一緒に酒を飲むのがNGなのはもちろん、客とカラオケのデュエットや客がカラオケを歌い終わった後に誉めはやす行為、客のお見送りでキスやハグなどのスキンシップを行うことも一切認められません。
接待行為をする場合には、風俗営業許可を取得しなければならないので注意しましょう。